高血圧症とは

高血圧症は、血管にかかる圧力が高い状態が続く疾患です。日本では多くの人が該当する疾患でありながら、初期段階では自覚症状に乏しく、健康診断で指摘されても放置されるケースが少なくありません。
血圧が高い状態は血管に過度な負荷をかけるため、長期間続くと動脈硬化が進行し、将来的に心疾患や脳血管疾患などの重大な合併症を招く危険性があります。そのため「サイレントキラー」とも呼ばれ、症状がなくても早期から治療を始めることが重要です。
松原市・阿保・河内松原駅の清水医院では、心疾患を抱える多くの患者様を治療してきた経験を踏まえ、高血圧症の段階から将来の重篤な合併症を予防することを最優先に考えた治療を行っています。健康診断で血圧の異常を指摘された方は、お早めにご相談ください。
高血圧症の症状と進行
初期段階の症状
高血圧症の初期段階では、明確な自覚症状がほとんどありません。血圧がかなり高くなると、頭痛、めまい、肩こり、動悸、息切れといった症状が現れることがありますが、これらは他の疾患でも起こりうるため見過ごされがちです。また、朝起きた時の頭重感(頭が重い感じ)や息切れなど、日常生活の中で感じる軽い不調も高血圧症の症状の可能性があります。
重症化した場合の症状
血圧が著しく高くなった場合、激しい頭痛、吐き気、視力の異常、胸痛などが急激に現れることがあります。これらの症状が突然現れた場合は緊急事態の可能性があり、直ちに医療機関を受診する必要があります。
高血圧症の合併症
心臓への影響
心臓は高い血圧に対抗するためにより強く収縮する必要があり、心筋が肥大します。長期間続くと心機能が低下し、心不全を引き起こします。また、冠動脈の動脈硬化により、狭心症や心筋梗塞のリスクが高まります。
脳血管への影響
脳の血管に動脈硬化が起こると、脳梗塞や脳出血のリスクが著しく増加します。これらは後遺症を残したり、生命に関わったりする重大な合併症です。
腎臓への影響
腎臓の細かい血管が障害されると腎機能が低下します。進行すると慢性腎不全となり、最終的には人工透析が必要になることもあります。
高血圧症の原因
本態性高血圧
高血圧症の大部分を占めるタイプで、明確な原因を特定できない高血圧です。遺伝的な体質に加えて、塩分の過剰摂取、肥満、運動不足、ストレス、喫煙、過度の飲酒などの生活習慣が複合的に影響して発症します。加齢とともに血管の弾力性が失われることも、本態性高血圧の発症や進行に関与します。
二次性高血圧
他の疾患が原因となって起こる高血圧症で、腎臓病や内分泌疾患、薬剤の副作用などによるものです。原因疾患を治療することで血圧の改善が期待できるため、適切な診断が重要です。
高血圧症の治療
血圧測定
診察時の血圧測定に加えて、家庭でも血圧を測定するようにし、より正確な血圧の評価を行うことが大切です。
診察室で測定した場合は最高血圧140mmHg以上、または最低血圧90mmHg以上で高血圧と診断され、家庭で測定した場合は、最高血圧135mmHg以上、または最低血圧85mmHg以上で高血圧症と診断されます。
薬物療法
薬物による治療が必要と判断した場合、降圧薬による治療を開始します。ACE阻害薬やカルシウム拮抗薬、利尿薬などから、患者様の状態を考慮して最適な薬剤を選択します。
生活指導
減塩
加工食品や外食を控え、過度な塩分の摂取を抑えましょう。だしや香辛料を活用した薄味の食事を心がけることが大切です。
体重管理
適正体重の維持は血圧値の改善につながります。BMI25未満を目標に、無理のない減量を行いましょう。
禁煙
喫煙は血圧を上昇させて動脈硬化を進行させるため、禁煙が必須です。当院の禁煙外来へご相談ください。
ストレス管理
十分な睡眠時間の確保、リラクゼーション法の実践などにより、ストレスを軽減しましょう。
皆様の血圧管理をサポート

高血圧症は慢性疾患で、長期的な管理が必要です。当院では、定期的な血圧測定に加えて、心電図検査、血液検査、尿検査などにより臓器障害の有無を評価し、合併症の早期発見に努めています。
また、糖尿病や脂質異常症などの他の生活習慣病を合併している場合は、総合的な管理により動脈硬化の進行を抑制します。必要に応じて超音波検査(エコー検査)により、心臓や血管の状態を詳しく評価します。
高血圧症でお困りの方、健康診断で血圧の異常を指摘された方は、将来の重篤な合併症を予防するため、症状がなくても当院までご相談ください。患者様の生活に無理のない、継続しやすい治療をご提案いたします。