ピロリ菌とは

ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ菌)は、胃の粘膜に棲みつく細菌で、胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃がんなどの原因とされているものです。除菌治療を行わない限り胃の中に住み続け、慢性的な炎症を引き起こすため、感染が確認された場合は除菌治療が推奨されています。
松原市・阿保・河内松原駅の清水医院では、ピロリ菌の検査から除菌治療、治療後の経過観察まで、一貫した診療を提供しています。胃の不調が気になる方や、ピロリ菌感染が心配な方は、お気軽にご相談ください。
ピロリ菌感染の症状
ピロリ菌感染の特徴は、感染していても多くの場合で自覚症状がないことです。感染者の大部分は症状を感じることなく日常生活を送っており、健康診断や他の検査で偶然発見されることが多いのが現状です。
症状が現れる場合でも、胃もたれ、食後の不快感、軽度の腹痛など、一般的な胃の不調と区別がつかないものがほとんどです。これらの症状は胃炎や胃潰瘍によるものですが、ピロリ菌感染が特定の症状を引き起こすわけではないため、症状がなくても検査を受けることが推奨されます。
ピロリ菌感染が招く疾患
慢性胃炎
ピロリ菌感染により多く発生する病気です。胃の粘膜に持続的な炎症が生じ、胃の機能が徐々に低下していきます。多くの場合は無症状ですが、胃もたれや食欲不振などの症状が現れることもあります。
胃潰瘍・十二指腸潰瘍
胃潰瘍と十二指腸潰瘍の患者様の大部分がピロリ菌感染に関与しており、除菌治療により潰瘍の治癒と再発予防が期待できます。
胃がん
ピロリ菌に感染している場合、胃がんのリスクが高まることが判明しています。感染者は非感染者と比べて胃がんの発症リスクが数倍高くなります。
ピロリ菌の検査
血液検査
血液中のピロリ菌に対する抗体を調べる検査です。簡便で結果も早く得られますが、過去の感染でも陽性となるため、除菌治療後の判定には適していません。
尿素呼気試験
呼気中の成分を調べる検査です。ピロリ菌が産生する酵素の働きを利用した検査で、現在の感染状況を把握できるため除菌治療後の判定にも適しています。
便中抗原検査
便の中にピロリ菌の成分があるかを調べる検査です。現在の感染状況を知ることができ、除菌治療後の判定にも使用されます。
内視鏡検査
胃カメラ検査の際に、胃の組織を採取してピロリ菌の有無を調べます。胃の状態を直接観察できる利点がありますが、内視鏡検査が必要となります。
ピロリ菌の除菌治療
一次除菌
ピロリ菌の除菌治療は、数種類の薬剤を約1週間服用する方法が標準的です。胃酸を抑える薬や抗生物質を組み合わせて使用します。
二次除菌
一次除菌で失敗した場合は、薬剤の種類を変更して二次除菌治療を行います。一次除菌と二次除菌を合わせて大多数の方は除菌が成功します。
除菌後の確認
除菌治療終了からしばらく経過した後に、除菌が成功したかどうかの確認検査を行います。この検査で陰性が確認されれば、除菌治療は成功です。
除菌治療の効果と注意点
除菌治療が成功すると、胃炎の改善により、胃もたれや食後の不快感などの症状が軽減し、潰瘍の治癒も促進します。中でも胃がんのリスク低下が最も重要な効果で、除菌により胃がんの発症リスクを大幅に減少させることができます。特に若い年代で除菌を行うほど、予防効果が高いとされています。
ただし、除菌治療後も定期的な胃の検査は重要です。除菌により胃がんのリスクは下がりますが、ゼロになるわけではないため、継続的な健康管理が必要です。
ピロリ菌が気になる方へ

ピロリ菌感染は、適切な検査と除菌治療により根治可能な感染症です。症状がなくても、感染していれば将来的な胃の病気のリスクが高まるため、早期の検査と治療が重要です。
当院では、患者様の状況に応じた適切な検査方法を選択し、除菌治療から治療後の経過観察まで、継続的にサポートいたします。また、除菌治療中の不安や疑問についても、丁寧にお答えいたします。
胃の不調が続く方やご家族にピロリ菌感染者がいる方、健康診断で胃の異常を指摘された方は、症状の有無に関わらずぜひ当院でご相談ください。ピロリ菌検査や除菌により、胃の健康を守りましょう。